判別分析は、いくつかの説明変数を用いて任意のケースが属するカテゴリーを判別または予測することを目的とする多変量解析法を指します。
例えば、新規出店予定の店舗が成功するか否かを、その予定店舗の特性や立地条件などをもとに判別できます。
あるいは、任意の生活者が自社製品を購入する可能性がある人かどうかを、その人の特性や意識により判別できます。
同時に、判別分析は、いくつかの説明変数のうちのどれがカテゴリーの判別に効いているかを明らかにすることができ、例えば、どのような店舗特性・立地条件が出店の成否の鍵になるか、生活者のどのような特性・意識が自社製品の購入有無を分ける要素になるかなどです。これらの分析から効果的なマーケティング施策の決定に役立てることができます。
判別分析は、このように、既存のデータを用いて、未知のケースがどのような結果になるかを判定することを目的として使用し、同時に結果の判定に対して効果がある説明変数を明らかにすることも可能です。
まとめ
判別分析だけでなく、重回帰分析も、既存のデータを用いて、未知のケースがとる値を予測することが可能です。その限りにおいては、判別分析と重回帰分析は似たような分析手法と考えることも可能です。ただし、どのような場合に重回帰分析が有効で、どのような場合に判別分析が有効かは、分析目的・リサーチ課題によって異なってきます。使用するデータ・変数の種類によっても異なってきますので、適切な分析手法の選択は、目的達成のためにはとても重要になります。