ブランドポートフォリオは、複数ブランドを保有する企業がブランドの特性などを分析し管理する戦略のことを指します。
それぞれのブランドの資源配分をコントロールし、ブランド全体を最適化できるようにします。
ブランドポートフォリオ戦略により、複数のブランドを保有することで相乗効果を得て、リスク削減を図ることができます。
ブランドポートフォリオ戦略の4つのポイント
それぞれのブランドを特性などによって体系化し、関係性を把握することで企業内においてのブランドの優先順位を決定して合理化などを行い、複数ブランドによる相乗効果を目指すうえで、4つのポイントを押さえる必要があります。
ポイント1:ブランド間での共倒れ回避
ブランドポートフォリオ戦略のポイントとなるのが、複数ブランド間での重複の回避です。自社に複数の自社ブランドがあるのに、同質化して棲み分けができなくなってしまうと、最悪の場合は共倒れという結果になってしまいます。
ブランドポートフォリオ戦略では、複数のブランドが棲み分けながら相乗効果が生まれる方法を実施します。
ポイント2:複数ブランド保有のリスク回避
複数のブランドを保有している企業において、ブランドポートフォリオ戦略を実行すれば、リスクを回避しつつ、投資効果の高いブランド展開が可能になります。
ブランド全体の価値を最大に高めながら、リスクを最小化することを目指します。
例えば、新しい商品をメインではないブランドで市場に投入して、メインブランドの強みは維持しながらリスクを回避するということも可能です。
ポイント3:ブランド縦関係の矛盾回避
ブランドポートフォリオ戦略によって、商品ブランドや企業ブランド、事業ブランドなどの縦関係を整理し、役割を明確化して矛盾を回避できます。
強いブランド作りを進めていくためには、このブランドアイデンティティとも言える部分に矛盾があれば解消しましょう。
ポイント4:複数ブランド保有による相乗効果を狙う
ブランドポートフォリオを明確にして、ブランドを体系化し、ブランド間の関係性をはっきりと理解することで合理的に戦略を進めていけます。各ブランドをどのように展開させていくのかを決定し、相乗効果を生み出せていけるようにできます。
どのブランドをどの市場に投入すれば最大の利益が得られ、ブランド同士の相乗効果を目指せるのかというような戦略を立てられるということです。
ブランドポートフォリオ戦略は、企業全体の価値を高められます。
ブランドポートフォリオマネジメントの注意点
ブランドポートフォリオマネジメントで注意すべきは、各ブランドの棲み分けが上手くできているかどうかという点です。
この点が上手くいっていなければ、各ブランド同士がカニバリ(共食い状態)になってしまいます。
同じ企業内で育ててきたブランド同士の共食い状態はできるだけ抑えなければなりません。
その上でブランド同士の相乗効果を目指していくというのがブランドポートフォリオマネジメントの重要なポイントです。
リスクを最小化しつつ、各ブランドの価値を最大化していくという高いマネジメントスキルが求められます。
まとめ
1つのブランドの管理ではなく、複数のブランドを保有している企業が保有ブランドの関係性や役割を整理して構造化するブランド体系を適切に管理し、収益を拡大・維持するために「ブランドポートフォリオ戦略」は有効です。
現在、複数のブランドを保有している企業で業績が伸び悩んでいる場合は、ブランド体系を見直し、管理してブランドポートフォリオ戦略にチャレンジしてみましょう。