我々が日常の中で必ず利用する場所がある。トイレだ。
トイレでは、用を足すことが一番の目的でもあるが、トイレの中でついボーっとすることや、スマホを持ち込んで永遠に触ってしまうことがないだろうか。
トイレという空間が何となく落ち着き、安心してしまう個人のスペースになっていることから、最近はトイレ内広告も浸透してきている。
トイレ内広告は記憶に残りやすい?
アメリカ テキサス州ヒューストンにあるライス大学(William Marsh Rice University)が行った調査によると、「トイレでの広告は長期的に見て84%の顧客再来店率に繋がる」との結果が出ていることが発表されていて、広告が記憶に残る度合いも、他の手段と比べて40%ほど高いとのこと。(参考:https://marketingnative.jp/news49/)
確かに、居酒屋のトイレに貼ってあるチラシなどは比較的内容を覚えていたりする。
パーソナルなスペースであり、比較的限定された空間だからこそ、他に視覚に入るものが少なく印象に残るのであろう。
最近では、トイレ広告専門の代理店も登場しつつある。
トイレ広告を社会貢献に役立てる『ハレルヤ!』
株式会社トランプスが開始した『ハレルヤ!』は、飲食店のトイレにポスターを貼るだけで広告収益の一部を飲食店に提供するサービス。
コロナでなかなか集客に苦しむ飲食店が、定期収益を確保できる社会貢献型のサービスとして注目されていて、
現在では、全国で2,000店舗の登録店舗となり、今後も登録店舗を拡大しつつある。
トイレ内動画広告でナプキン無料化に?!
オイテル株式会社が、女性個室のトイレ内に動画広告を配信する「OiTr ads」の提供を開始した。
「生理の貧困」が話題になった中、このサービスは女性トイレにデジタルサイネージの付いたディスペンサーを設置して、広告出稿で得た費用の中から無料で生理用ナプキンを提供するものとなる。
利用者が便座に座ったタイミングで、センサー感知により動画が開始するので確実性も高い。
広告収益を社会問題の解決に役立てるこちらのサービスも、社会貢献型である。
視認性も高く、リーチしやすいトイレ広告は今後ますます注目されることになるだろう。
一方で、デリケートな空間であるがゆえにあまりに騒がしい空間になってしまうと、トイレ自体が居心地の悪い空間になってしまうことも懸念点のひとつ。
顧客からのクレームとならないように、慎重に展開されるだろうことから、より注目したい広告である。