広告を通じてさまざまな啓蒙活動をおこなっているACジャパン。2022年7月1日から展開しているCM「寛容ラップ」が現在、大きな話題を集めている。今回は、「寛容ラップ」CMが生まれた背景に迫る。
「寛容ラップ」CMとは?
寛容ラップCMは、とあるコンビニエンスストアでおばあさんが会計にもたついているシーンからはじまる。後ろには会計を待つ長蛇の列ができてしまい、焦るおばあさんは思わず「ごめんなさい・・・・・・」とこぼしてしまう。
そんなおばあさんに対して、後ろに並んでいた強面のラッパー・呂布カルマ氏が突然ラップを披露する。
「Yo!もしかして焦ってんのかおばーさん 誰も怒ってなんかない アンタのペースでいいんだ 何も気にすんな 自分らしく堂々と生きるんだ」
すると、おばあさんもラップで次のように答える。
「迷惑かけてしまってるなって 焦ったらまさかの優しい発言 アタシも反省 見た目で判断 もう要らないわ色眼鏡なんか」
唐突にはじまった2人のラップバトルに店内は大盛り上がり。最後はその場にいた人々が一体となり、「たたくより、たたえ合おう」とのキャッチフレーズが展開されてCMの幕が閉じる。
見た目のギャップから多様性を表現
寛容ラップのテーマは、「不寛容な時代~現代社会の公共マナーとは」。相手を決してディスらないラップバトルを通じて、相手を尊重して認め合うことの大切さを、そしてそこから生まれる交流を伝えるという意図が秘められている。
メッセージを伝える手法としてラップが選ばれたのは、若者に対するメッセージ性の強さを意識してのものだという。また強面の人物が優しい言葉のラップを、おばあさんが流ちょうなラップを、店員のギャルが優しい歌を熱唱するというギャップを打ち出すことで、多様性を表現しているのだそうだ。
寛容ラップCMの反響は大きく、SNS上でも話題を集めた。自分と異なる立場や考え方に対する批判・反発が社会問題視されている時代だからこそ、より大きな共感を集めたのだろう。
「たたくより、たたえ合おう」
何事に対しても寛容な精神を持って行動することの大切さを、このCMは教えてくれている。