2021年7月23日、東京の夜空を舞った1,218機のドローン。東京オリンピックの開会式を彩った美しい演出に、目を奪われた方も多いだろう。
いま広告媒体としても、こうしたドローンが描く “空の広告” への注目が高まっている。
ドローンが描く、”夜空の広告”
中国では “光るドローンが夜空を彩る”「ドローンライトショー」が、企業のプロモーションとして盛んに用いられている。
とくに2021年4月には、日本発のスマホゲーム『プリンセスコネクト!Re:Dive』によるドローンライトショーが上海にて行われた。
使用されたドローンは、約1,500機。
ドローンの光によって形づくられたゲームのキャラクターたちがスマホから飛び出し、上海の夜景を彩った。
キャラクターたちが夜空に浮かんでいるかのように、立体的に鮮やかな色彩で描かれる。
とくに話題を呼んだのが、イベントの終盤に浮かび上がったQRコードだ。
QRコードをスマホで読み取れば、1周年特設ページへと飛ぶ仕掛けとなっている。でかでかと夜空に浮かぶQRコードは、離れた場所からでも読み取りが可能だ。
あらゆる場面でQRコードが浸透している、中国ならではの演出であるともいえるだろう。
ドローンが、ユーザーに”メッセージ”を送信
2021年6月、ブラジルではドローンによって “ビルの壁面” にメッセージを投影するプロモーションが行われた。
実施したのは、言語教育サービス提供の『Duolingo』。
語学学習アプリの利用をやめてしまった人に対し、 “戻ってきてほしい” というカムバックメッセージが発信された。
通常はスマホアプリによる通知によって発信するが、ユーザーは数多くのメッセージを受信しており、見逃してしまう傾向もある。
こうした特性を逆手にとり、ユーザーの向かいの建物に通知を投影するという、ドローンによるダイナミックな手法が取られた形だ。
街中で見かけた人が写真を撮影するなど、 “見逃せない” 通知として、ユーザーに受け取られた。
広告媒体として、ドローンによる “空” の活用ははじまったばかりだ。それゆえに、まだまだ多くの可能性を秘めているといえる。
最近、日本でも「ドローン×広告」ビジネスへの参入が相次ぐ。日本の空を “広告が舞う” 日も近いかもしれない。