昨年、“受験生あるある”を切り口とした受験生応援広告が話題になったことを覚えている人も多いだろう。
渋谷駅前に大きく掲出された「墾田永年私財法」の文字は、インパクトの大きさやメディアに多数映り込んだことからも話題を集めた。
そんな印象深い広告を展開した明治R-1が、今年も受験生を応援する広告を出した。
メッセージは「あふれる愛情」
明治R-1は「体調管理で受験生を応援する」をテーマに掲げ、受験生など体調管理が重要なターゲットに商品をアプローチすることを重視している。
確かに明治R-1の商品は腸内環境を整え体調管理にもおすすめとうたっていることもあり、ここぞという時には意識して摂りたい勝負アイテムに近い。そして何よりうまい。
受験生にとって重要な共通テストが実施される1月15日、16日に16種類の受験生応援広告を掲出することで、よりターゲットと近しい距離感の広告を展開したのだ。
今年のメッセージは「受験生を陰から支える親」に着目。
「まあ気楽にやったらええけん」「お風呂沸いてるから入りや」「お母さんは応援しかできないけど、絶対に誰よりも応援してるよ。」…。
受験生が見ていて心が温かくなるような、受験を経た大人たちもどこか懐かしい気持ちになるような、そんな言葉が試験会場の最寄り駅や路線には並んだ。
行きと帰りで見え方が異なる手法で
この広告の面白い点は、試験会場に向かう行きと、帰りで見えるメッセージが変化する工夫を取り入れている点にもある。
広告の中には、見る角度を変えることで全く異なる言葉やデザインが出てくるプリントを利用したものや、階段の段差を活用した広告で打ち出す言葉を変える工夫も展開。
行きでは気持ちをリラックスさせるメッセージや背中を押すメッセージを、帰りには優しく労いの言葉が並んだ。
まさに受験生がその時に“欲しい”と思える言葉が目に入るような工夫は、広告の本質を貫いた作品と言えるだろう。
広告の存在意義という観点から
広告主がお金を支払って展開しているものである以上、広告物の存在意義は商品やサービスのプロモーションに尽きる。
一方で、ふとした時に目に入る、意識が向く広告物の中には、時に人の心を揺さぶり、励まし、支えになるものが存在してもいいだろう。
広告は時にそういう存在であって欲しいとも思う。
コロナ禍に入り、今まで以上に周囲との情報共有などが難しくなりストレスや不安を感じている学生は多かったのではないだろうか。
そんな受験生が、明治R-1の広告に触れ、ちょっとした時間にほっこりできるような心の余裕を与える広告の意義は、商品のプロモーション以上の価値を生み出したかもしれない。
来年の明治R-1の受験生応援広告が今から楽しみだ。