Netflixのコンテンツはいつもとても充実している。
更新されるものは全てはずさないし、ちょこちょこ値上がりしていることも気にならないほど、利用者としては満足している。
Netflixの利用者が継続して存在し続けている実態の裏には、消費者の心をはずさない絶対的なコミュニケーションが隠されている。
そんな、Netflixの広告の事例を見ていきたい。
「上を見ろ、星がある。下を見ろ、俺がいる。Netflix。」
突然そんなメッセージの広告が現れると、何を意味しているのかさっぱり分からないものだ。
ビジュアル要素はないが、インパクトが大きい理由は、メッセージに沿ってみる人の目線が動くという、新しい「動き」を感じることができる広告だからかもしれない。
この広告は、話題になった「全裸監督」シリーズのシーズン2を訴求している。
広告の中に『全裸監督シーズン2』という作品名を入れないことで、最後まで意味が分からない広告として貫き通しているところもおもしろい。
最後まで疑問が残る広告表現がまたインパクトを強め、より広範囲の多くの層にリーチする広告になったと言える。
「リラックマとカオルさん」の山手線ジャック広告
突如、山手線の車内に現れたメッセージ。
「脱毛しましょう」「お金持ちになりましょう」「自己啓発しましょう」「都心に住みましょう」…。
シンプルなメッセージのみの広告でありながら、その真意は電車内でありきたりな広告を逆説的に捉えて風刺するものとなっている。
みんなのアイドル的存在のリラックマのキャラクターを使いつつ、メッセージでインパクトを与えるこの広告は、SNSでも大きな話題を呼んだ。
もちろんこれもNetflixのオリジナルアニメ作品「リラックマとカオルさん」を使った広告事例。
電車内で静かに鼓舞し続ける交通広告により、知らず知らずのうちに私たちは疲弊している。
そんなことを気づかせてくれているきっかけとなった。
渋谷なのに「浅草」の文字?
ビートたけしさんの著書「浅草キッド」は昨年末から配信がスタートして大きな話題を呼んだ作品だ。
渋谷駅のあらゆる広告枠で、この「浅草キッド」を訴求する広告ジャックがおこなわれた。
渋谷駅のデジタルサイネージや屋外ビジョンでは一部名シーンが見られるようになっていて、少し見てしまうと続きが気になるものだ。
東急の田園都市線の渋谷駅にある、存在感抜群の横長のサイネージ上でも大々的に告知を展開。
赤と黄色の配色でより目立たせ、インパクトもかなり大きなものとなった。
そして「嵐」の登場でファンの心も鷲掴みに
活動休止となった嵐の、活動休止までの姿を毎月配信するドキュメンタリーを独占配信しているのもやっぱりNetflix。
このコンテンツはファンにとっては観ないわけにはいかないものである。
嵐コンテンツはデジタル広告や、屋外広告でも多面的に告知され、掲出された六本木や渋谷には多くのファンが訪れた。
ファンに響くコンテンツを絶やさずして、ターゲットにはずさないコミュニケーションも欠かさない。 Netflixの広告手法は多くの企業のお手本になると言える。