街中に掲載される企業の広告には、自社の商品やサービスを広く世に知らしめ、ユーザーの購買意欲を高める目的がある。
しかし近年、異なる企業がまるで対話を繰り広げるかのような広告を出すケースが増え、話題を集めている。
今回は、そんな企業の「掛け合い広告」の例をご紹介する。
Netflix対Tinderのプロレス広告
まずは2022年2月16日に渋谷エリアにお目見えした動画配信サービス「Netflix」とマッチングアプリ「Tinder」の広告。

これは、Netflixの婚活リアリティ番組『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』のPR活動の一環として展開されたものだ。業態の異なる両社が「出会いの固定観念を打ち破る」意図のもと、このような掛け合い広告を制作したのだという。
バーガーキングとマクドナルドの熱き戦い
次にご紹介するのは、2020年1月31日をもって閉店したマクドナルド秋葉原昭和通り店に対して、2軒隣りのバーガーキングが掲示した広告。

一見、感動的な光景が繰り広げられているが、そこに書かれている文字を縦読みすると、「私たちの勝チ」。称賛を贈る一方で、しっかりと勝利アピールをしているのだ。
じつは、バーガーキングのマクドナルドへの対抗心をあらわにした広告は、本国アメリカでは1970年代から出され続けているのだという。ファンの間ではもはやおなじみの光景で、「Burger Wars」とも呼ばれているのだとか。
川崎駅前を盛り上げるコラボポスター
最後にご紹介するのは、JR川崎駅の商業施設「アトレ川崎」と「ラゾーナ川崎」の休館日を知らせるポスター。
休みの間はそれぞれの商業施設を利用するよう推奨しあっているが、よく見ると小さな文字で本音がちらり。
この企画は、川崎駅前を盛り上げるために数年前から両社が共同で打ち出しているもの。来館した方にくすっと笑ってもらえればという思いが込められているのだという。
広告が溢れる現代において、たんに商品の内容やサービスを紹介するだけのものではなかなか目に留まりづらい。
しかしこのようにユーモア溢れる広告を展開することで、人々の印象に残り、しいては訴求力の向上も期待できる。
今後も企業同士のコラボ広告はますます増えていくに違いないだろう。