ファンが作り上げる広告
応援広告発祥の地である韓国でデビューし、今や全世界で爆発的な人気を巻き起こしているBTS。
彼らを応援するファンは「ARMY」と呼ばれ、韓国ではARMY同士が実社会やSNSを通じて繋がり、メンバーの誕生日や楽曲リリース等の記念日をお祝いするのが一般的になっている。
本場韓国では『センイル(誕生日)広告』と呼ばれ、駅や商業施設などで広く利用されている。日本語で応援メッセージが記載された応援広告が韓国で見かけられるなど、韓国のアイドルへの応援広告を中心に日本人にも利用されだしている新しい広告手法の1つだ。韓国ではARMY同士が有志で資金を集め、応援広告を掲出したりイベントを実施したりといった応援活動が当たり前であるが、日本ではまだ応援広告の認知がされていない現状がある。
ソウル HYBE社屋周辺の応援広告が熱い。
BTSが所属している芸能事務所「HYBE(旧:Big Hit Entertainment)」周辺をはじめ、明洞・三成・合井・弘大入口・建大入口の駅周辺にある街灯バナーや大画面でのビジョン広告が大人気だ。
応援広告は企業ではなく個人が広告出稿を行う広告手法だが、最近では企業が出稿する従来の広告物と同じく多くの広告媒体へ広告出稿ができるようになっている。もちろん広告媒体がより多くの人にリーチできる大型な媒体になれば、その分必要な費用も大きくなるが、応援広告は個人が広告出稿を行う広告手法であり個人・企業で広告出稿に必要な費用に大きな違いはない。
比較的安価なものであればカフェスペースなどを利用したカップホルダー広告が人気で、最近では大型ビジョンや新聞紙面なども応援広告に利用されている。
増加傾向のセンイル広告、億単位に!
こうしたセンイル広告の市場規模は年々増加しており、ソウル交通公社が去年まとめた資料では、地下鉄のアイドル広告は5年で約28倍の件数に。場所や大きさで値段は異なりますが、平均的な地下鉄広告の費用は、1件当たり1か月で45万円前後。個人の出資のため正確な金額は把握できないが、センイル広告によって億単位の金額が動いているとみられている。