アパレルと不動産会社が提携、大学の空きスペースを活用
アパレル事業を展開(株)ヒューマンフォーラムが運営する「SPINNS(スピンズ)」が全国の学生マンションの企画開発・仲介斡旋・運営管理までをトータルで行う(株)ジェイ・エス・ビーと提携し、拓殖大学八王子国際キャンパス構内で運営している学生寮「カレッジハウス扶桑」売店棟の一角にて学生を対象として古着の無人販売を開始。
無人店舗は、拓殖大学八王子国際キャンパスの構内での学生寮「カレッジハウス扶桑」内に設けられた売店棟の一角に開設。日中、売店棟は学内に開放されており、入居者以外の学生や大学職員の方も自由に利用することができる。手に取った古着を通してより多くの方が、サステナブルな未来に関心を持つことを期待している。
日本のファション産業の現状、サステナブルな未来への関心を提唱
日本では年間で約48万トンの衣服が廃棄されている。ファッション産業は、製造にかかるエネルギー使用量とライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と言われ、その負荷が国際的な問題となっている。さらに、コロナ禍での外出機会の減少などで、服の流通は停滞し、廃棄の抑制に歯止めが効かない現状にあるため衣服ロスを少しでも減らすことができるように、実現した試みだ。
赤字にならない理由とは?
FCLC 拓殖大学 by spinns店は「経営コストがかからないためリスクが少ない」
仕入れ先からは、衣服を購入するわけではなく借りている状態。売れた分だけ仕入れ先に納め、売れ残った衣類は返却する。ジェイ・エス・ビーに支払う賃料も、売り上げに対する歩合で、その割合も低いので負担にはならない施策だ。
無人店舗の為人件費も発生せず、小規模なビジネスモデルでも収益は出ている。また、地方へ出店する場合は、家賃もかからず競合も少ないため、広告費もかからない。出店地域の客層に合わせて品ぞろえを変えることで、売り上げの増加につながるのだ。
仕入れ先からすれば廃棄予定の衣類がお金に換わり、ジェイ・エス・ビーは空きスペースから賃料が得られる。3者がそれぞれのリソースやノウハウを持ち寄ることで、収益を得つつ、衣類ロスを削減する循環を実現した。
商品に代金を載せなくても、欲しいものが手に入って、経済が回っていくのは、良い社会の仕組み。お金や人間性、環境に優しい社会や循環が、洋服を通して実現できたら。というコンセプトだ。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01667/