国内のシューズメーカーといえばアシックスだが、近年では海外のランニングシューズメーカーの勢いが強く、そのイメージは薄れつつあった。
しかし、最近のアシックスはランニング経済圏にどんどん前進しており、その勢いは市民ランナーを含むランニング勢も注目しているほど。
アシックスの取り組みは、リアルな空間だけのものには限らない。
アシックスの新商品体験をVRで
今年の2月、アシックスは仮想空間内でランニングや自転車レースの体験ができる「Zwift」とパートナーシップを締結した。
Zwiftとは、フィットネス機器と連動させることで、仮想空間内のアバターが走ったりサイクリングをしたりしてレースやトレーニングの体験ができるサービスを運営している。
インターネットを介することで、同時に大人数でイベントに参加ができるのも、DXの進む現代ならではの取り組み。
仮想空間でアバターである自分が身体を動かす時に、アシックスの商品を実際に着用できるので、商品を実際に手にしていないユーザーとの距離感を縮めることが実現した。
オンラインのランニングイベントも
アシックスは6月20日より、オンライン上で「アシックス プロシリーズ」というランニングイベントを開始した。(※~7月15日まで)
仮想空間内で、アシックスの支援する選手たちとのグループランに参加できることは、ランニング好きにとっては貴重すぎる体験である。
さらに、プログラムを完了すれば、アバター用のシューズやウェアがプレゼントされるという、仮想空間内でありながらブランドとユーザーへの接点づくりも欠かさない。
デジタルサービスと連携することにより、今後さらなるランニング経済圏の構築やランニング愛好者のコミュニティ形成を目指している。
オンライン上でも伝わる商品価値を
アシックスの実施している施策は、今後の世の中で主流な手法となってくるだろう。
特に、近年ではコロナ禍の影響で買い物をするとなってもなかなか店頭に出向く機会も減った。
ECでの売買はもちろん、メタバース内のブランディングも注目されてきている。
今や、商品やサービスのブランディングから購入までを一貫してオンラインで完結できる機会は珍しくなくなりつつある。
仮想空間やメタバースによる価値提供が、ますます当たり前になる時代はすぐそこかもしれない。