近年リサイクル素材を使った広告制作の取り組みが広がっている。
廃棄となったポスターを再利用したOOHを見かけたことがあるが、廃棄野菜を使ったOOHも過去の事例としてはあるらしい。
今回は、「明治おいしい牛乳」の紙パック200本分から制作したOOHについて紹介したい。
「リサイクル=転職」がテーマ
明治は「紙パック転職大作戦」を題して、リサイクルによりノートやトイレットペーパーなどに再利用される紙パックの様子を“転職”と表現した。
今回のリサイクル広告は「紙パック転職大作戦」をテーマとして掲げることで、「リサイクル」と言うよりもよりやわらかい表現になっていて親しみやすいものに。
新たな観点をテーマに設定しながら、紙パックのリサイクル率向上を目的とした。
実は「明治おいしい牛乳」などの紙パックの原料の多くが、木材から新しくつくられた丈夫な繊維の古紙であるため、リサイクルによる活躍の場が多いとされている。
その事実を私も含めて知らない人は多いのではなかろうか。
全5編のWebショートムービーも
主人公の「明治おいしい牛乳900ml」が、紙パックとしての役割を終え、再生紙として新たな活躍の場を探す「紙パック転職大作戦」を5話のムービーでも公開。
山あり谷ありの展開を乗り越えながら、転職の成功を目指し前進し続ける紙パックの姿につい気持ちが入り込むことも。
ストップモーションアニメを活用することで、簡単にリサイクル手順が学べるムービーとなっている。
OOHとムービーをセットで展開することにより、顧客との接点づくりにも工夫がみられる。
OOHで啓発をすること
東京メトロ大手町駅に期間限定で公開された今回のOOH。
OOHの役割はもちろん企業のブランディングやプロモーションを目的とするものが多いが、今回の事例のようにリサイクルなどの啓発を目的としているものもある。
視認性が高く多くの人に認知してもらいやすい媒体であるOOHのメリットを最大限に活かすことで、より多くの人へメッセージを届けている。
ふと目にとまるOOHのメッセージも今後注目していきたい。