田舎で生まれ育った私は、当時テレビのニュースやバラエティで紹介されるお店や限定商品はどれも異世界のモノだと思っていた。
「あ~あの施設の中はどうなってるんだろ?」「あの商品って一番近くでどこで買えるんかな」そんな風に指をくわえて生きてきた身からすると、5GやIoTが普及しはじめ仮想空間を第二の生活空間にすることを目指している昨今は夢の様だ。
あそこもここも仮想空間に
『メタバース(仮想空間)』がトレンド入りし始めているように、今や多くの施設が仮想空間の展開に舵をきりはじめている。
三越伊勢丹も「REV WORLDS」という仮想空間を展開していて、スマートフォンアプリからログインすると伊勢丹新宿本店と新宿アルタの施設を一部垣間見える仕組みになっている。
おもしろいのが、自分自身をアバターとして設定することで施設の中で販売されているコスメや雑貨などを商品として購入できるところだ。
仮想空間にしかない売場もあるので、仮想空間ならではのリアリティ溢れるショッピングを堪能することができるのも醍醐味のひとつと言える。
アプリ内では、チャット機能でユーザー同士会話もすることができるので、コミュニケーション的な側面も欠かしていない。
バーチャル伊勢丹で広告体験。一体どこまで効果があるのか?
博報堂はこのバーチャル伊勢丹内での広告掲出の実験をおこなうことを発表している。
現実でも商業施設に多く導入されているサイネージを設計することで、受容性検証をおこなう。
それだけではなく、イベントブースを展開したりブランド体験ができるものから、パビリオンの設計なども検討している。
まさにリアルの商業施設でも、広告的視認性の高さが期待できるものや、体験価値を販促につなげやすいものが広告掲出の実験となっているので、バーチャル空間でも同等の消費者への販促効果が期待できると感じるが一体どうなのだろう?
実験結果が非常に楽しみな施策である。
バーチャル広告が「明日何買おう」を支配する世界
メタバースを活用したプロモーションは、近年より活発化されている。
「東京ゲームショー」でも仮想空間の会場で広告を展開しているし、過去にも日産自動車が新型車の疑似試乗ができるプロモーションを仮想空間で実施した。
想像してみて欲しい。
何となく揺られる電車の中や、いつかの耳に残っている動画中のCM広告をふと思い出してWebで検索したりお店で探して購入をした経験はないだろうか。
そんな広告接点のひとつとして、仮想空間内のバーチャル広告も私たちの「明日何買おう?」に関与する世界がまもなく訪れようとしている。