ファミリーマートのレジ上のスペースに徐々にデジタルサイネージが設置されつつあるのをご存じだろうか。2022年春までに3,000店舗に導入。そして3年以内に設置可能な全店舗への導入を目指しているという。今回はファミリーマートが仕掛ける新たな広告戦略に迫る。
空きスペースにデジタルサイネージ広告を導入して売り上げアップ
デジタルサイネージとはディスプレーなどを通じてさまざまな情報を発信するメディアのことで、近年は広告媒体としての事例も増えてきた。
そんななか、コンビニエンスストアの大手であるファミリーマートも店舗にデジタルサイネージを導入。レジ上のスペースに複数台のデジタルサイネージを設置し、来店する顧客に商品やキャンペーン情報などをアプローチしている。すでに2020年9月より実証実験を展開し、デジタルサイネージを導入したことで商品の売り上げが10~50%伸びたという。
実際、ファミリーマートの店舗数は全国に約1万6,600あり、月間で延べ4億5,000万人以上もの顧客が来店する。これほどの人に商品のプロモーションを展開できるのはかなりのメリットがあるといえるだろう。レジの前で会計の順番を待つときに思わず視界に入るため、視認率は約70%と電車などの交通広告よりも高い数値を誇るそうだ。
店内に「第3のメディア」を創出
ファミリーマートによると、デジタルサイネージの導入を通して「テレビやインターネットに次ぐ第3のメディアを創る」狙いがあるのだとか。現在デジタルサイネージで配信されている映像コンテンツは自社商品のみならず、エンタメ情報やニュース、地域の情報など多岐にわたる。3月からは四千頭身やハライチら人気芸人による「27秒ネタ」の配信も開始された。
さまざまな企業からも広告出稿の申し込みがあるといい、来店客に直接アプローチできる第3のメディアの可能性は計り知れないものがあるだろう。