2020年4月の健康増進法改正に伴い、原則屋内での喫煙は禁止となった。喫煙者がたばこを吸うには、基準を満たす喫煙所に行かなければならない。必然と多くの喫煙者が集まる特性を生かし、近年は喫煙所にデジタルサイネージを設置して直接喫煙者に商品やサービスをアプローチする試みが広まりつつある。はたしてその効果のほどは?
そもそもデジタルサイネージとは?
デジタルサイネージはディスプレイなどを使ってさまざまな情報を配信するメディアの総称で、「電子看板」とも呼ばれている。動画や音声を活用した「動く広告」であり、視認性が高く、多くの人の目を引きやすい点が特徴だ。
また設置場所の自由度が高く、広告の貼り替え・付け替えの手間も省けるため、近年は屋内外を問わず、あらゆるシチュエーションで活用されている。
デジタルサイネージで喫煙者に直接アプローチ!
ただし、やみくもにデジタルサイネージを設置すればよいというものではない。人の流れや人の目に入りやすい場所を見極めて設置しなければ、広告効果は期待できないだろう。
そこで近年注目を集めているのが、喫煙所だ。喫煙所には、たばこを吸いたい喫煙者が必ず訪れる。比較的狭い喫煙所のスペースにデジタルサイネージを設置すれば、たばこを吸いながら思わず画面に目が行ってしまうだろう。
また、ターゲット層が明確な点も喫煙所サイネージのメリットのひとつだ。たとえばビジネス街の近くであれば30~50代のビジネスパーソン向けの広告を、繁華街であれば20~50代の男女に向けた広告を流すことで訴求効果が期待できる。
東電タウンプランニング株式会社が展開している喫煙所サイネージ『Hito-iki Vision』は2022年4月現在で都心の主要エリアに13か所配置されており、月間リーチ数は111万人を数えるという。
もはや、喫煙所はたんにたばこを吸うためだけの場所ではない。デジタルサイネージ広告によって、喫煙所は喫煙者への直接的なアプローチが可能な大きなビジネスチャンスを秘めた施設へと変貌を遂げたといえるだろう。