コロナ禍になり約1年半。
モノ消費に関わる価値観が変遷を遂げた年となった。
多くの人が今まで価値を感じなかったものに価値を見出し、その逆もまた然りという状況は世の中を大きく変えた。
そんな価値観の変遷の中で、日頃の生活における衛生意識は特に高まる年となった。
今後も日常生活の感染対策として、感染症の予防は必要不可欠な事項となり油断はできず重要視されている。
自動清掃用ロボットが広告媒体に
清掃員の清掃業務における感染リスクの拡大は、大きな課題のひとつであった。
ソフトバンクロボティクスが開発と製造を担っている「ウィズアイ」という自動清掃用ロボットは、清掃業務を安全に行えるという観点で注目されている。
そしてこの自動清掃用ロボットにラッピング広告ができるサービスを、アイリスオーヤマが開始したことが話題を呼んでいる。
9月25日に開催されたJリーグ1部の「ベガルタ仙台vs徳島ヴォルティス戦」では、キャラクターやロゴが胴体部分に露出されたベガルタ仕様の清掃用ロボットがお披露目された。
チームカラーであるオレンジの機体はインパクトがあるだけではなく、細かく動き回りながら、観客の安全のために慌ただしく清掃をする様子はどこか愛着さえ感じられる。
安心安全のために清掃業務に勤しむ清掃ロボットの印象は、見る側にもポジティブなイメージを植え付ける。露出と同時に広告主への印象アップの役割も担っていると言える。
この自動清掃ロボット「ウィズアイ」のラッピングサービスは、2021年10月1日より本格的に開始され、広告の掲出は1台あたり5万円(税抜)で実施可能となっている。
非接触ロボットの需要拡大 新たな人との接点が広告の未来をつくる?
この他にも今後は、「サービ アイリスエディション」と呼ばれる配膳・運搬ロボットもアイリスオーヤマは扱っていく計画をしている。
まずは試験的な導入となる見通しだが、今後ますます多くの施設や飲食店で活躍を見せそうだ。
非接触であることの需要は高まっており、今後もより多くのサービスでロボットの活躍が期待されることになるだろう。
2021年が「ロボット元年」とささやかれる中で、新たな形で人との接点が生み出される時代に突入している。
そこにはこの「ウィズアイ」のような非接触ロボットの誕生、デジタル化の急拡大、サブスクリプションサービスの普遍化…。一概にひとつの事象が要因になっているとは言えない。
この新たな形の人との接点が今後の広告媒体がどのような方向に進んでいくかという鍵を握っているのかもしれない。
そして新たな広告媒体は、今までの広告媒体とは違った形で消費者の心に残るものとなるだろう。