近年、NFT化がより注目されるようになってきた。
全てがデジタル上で完結できるような世の中に近づくにつれ、さまざまなイベントや身近なものがNFTに絡められてきているということは否めない。
デジタルのコンテンツを数量限定で配布することができるということが、昨今のNFTの主要な用途となってきている。
屋外広告をNFT化する実験
NTTドコモと電通グループのLIVE BOARDが屋外広告をNFT化して販売する実証実験をすることを発表した。
この実験はデジタル資産関連の事業を行っているBridgesや、暗号資産メディアを展開するCoin Postとも共同で大々的におこなう。
この実証実験ではLIVE BOARDが既に保有している、表参道の青山ストリートビルボードを活用する予定。
7日間限定の販売で各企業や個人からの入札を受け付け、購入には仮想通貨のMATIC及び掲載したい広告内容の提示を必須としている。
その後、掲載が決定したものを2月7日~3月6日まで掲載する。
通常の販売価格よりも、落札価格が上回る場合の差額は非営利団体などに寄付される予定になっていて社会貢献度も高い。
NFT化する背景にあるもの
LIVE BOAD自体が、デジタルOOH広告事業を主とする2019年にできた新しい先進的な会社ということもあり、この取り組み自体が日本初となる。
今回、広告枠が初めてNFT化された背景には、センイル広告の存在も。
韓国を中心に、自らの推しの誕生日を祝福するためにファンが自費で応援広告やお祝い広告を出稿するケースが多発している。これを“センイル広告”と呼ぶ。
センイル広告のように、NFTを購入している、保有しているコレクターが自身の保有するNFTをディスプレイに掲出する事例が米国を中心に広まりつつある。
個々人が持つ価値のあるNFTを広告面に掲載させることで新たな広告販売、広告掲出のスタイルを生み出そうとしているのだ。
NFT化することによる今後の屋外広告の未来とは
NFTとは「代替不可能なデジタルデータ資産」。
今や、企業や団体に限らず個々人が保有するケースの方がメジャーになりつつある。
近代的な資産であるNFTは、広まってはいるもののその使い道はまだまだ不透明な部分も多い。
NFTを広告として掲出することで、新しい広告の希少価値を生み出すことも予想される。
古くから、広告は企業ブランディングの手法のひとつだと認識され続けてきた。
しかし、この実証実験を通じて、個人が持つ資産を世の中に発信する新たな広告の価値を生み出すかもしれない。