【クイズ】これ何の広告?学生の「地毛証明書」にフォーカスした広告の正体

【クイズ】これ何の広告?学生の「地毛証明書」にフォーカスした広告の正体

学生のころ、茶髪は許されなかった。

当時は疑問には思っていなかったが、染めずとも髪が茶色い女性は「地毛証明書」を提出していた。

しかし、よくよく考えれば「地毛証明書」とは矛盾を抱えた制度である。染めた茶色はNGで、染めた黒色ならOKなのか。そもそも、なぜ黒しか認めないのか。

そんななか、話題になった広告がある。

「この髪どうしてダメですか?」という鮮烈なキャッチコピーで、髪にまつわる校則にスポットライトあてた。

画像引用:https://twitter.com/HEISEI_love_bot/status/1485144784218259461

さて問題だ。この広告は、どこの誰が作ったものだろう。

「この髪どうしてダメですか?」

画像引用:https://twitter.com/HEISEI_love_bot/status/1485144784218259461
画像引用:https://twitter.com/HEISEI_love_bot/status/1485144784218259461
画像引用:https://twitter.com/HEISEI_love_bot/status/1485144784218259461

ヒントは4つめの画像に隠されている。

……タイムアップ!

正解は「パンテーン」の広告だ。髪にこだわりのない人でも、シャンプーのCMで見たことがあるだろう。

ようするにこれは、ブランディング広告だ。

パンテーンのブランドフィロソフィーには「あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする」という哲学がある。

「この髪どうしてダメですか?」という広告は、学生にも自分らしい髪の美しさがあって良いのでは、と社会に投げかけ、それに共感する学生あるいは親に、パンテーンというブランドを宣伝するための広告である。

パンテーン公式サイトには、この広告にまつわる、YouTube動画も公開されている。地毛証明書に疑問をもった事がある方は、ぜひご覧いただきたい。パンテーン公式サイト

社会への問題提起を代弁する

この広告は、各種SNSで大いに話題となった。ブランド広告としては、大成功と言えるだろう。

さまざまなニュースメディアでも取り上げられ、地毛証明書について、盛んな議論が自然発生的に交わされるきっかけとなった。

ユーザーに成り代わり、大きな声をあげる。そういった広告は、多くの支持・共感を勝ち取りやすいようだ。

先日筆者が書いた『「風邪でも頑張りましょう」メッセージ性を高める逆張り広告』という記事でも、逆説的に、社会へ問題提起をしていた。

広告の手法は様々だ。売りたいものを宣伝するだけでなく、企業ごと好きになってもらおう。そんな戦略も、時にはありかもしれない。

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記事を書いた人
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ガクマーケティング代表、olbb株式会社 取締役。元公務員のフリーライターです。コンテンツディレクターや、メディアの新規立ち上げのコンサルもしています。

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