BtoBマーケティングのセグメンテーションにおいて案件化と強い相関関係にある「状態」のことを指します。
BtoBマーケティングは構成要素が多くバリューチェーンも長いため、セグメンテーションを含むSTPの精度を上げる際に、3Dであるのか(案件化と強い相関関係にあるのか)を判断する必要があります。
前提:セグメンテーションを含むSTP分析
どの市場に売るか、どの企業に売るか、何をどのように売っていくかを決める際にはSTP分析を行います。
S:セグメンテーション(市場を細分化する)
T:ターゲティング (細分化した市場の中で最適な市場を選択する)
P:ポジショニング (選択した市場の中の企業や人に自らの立ち位置を説明・宣言する)
この3つから構成されるフレームワークです。ある製品やサービス、技術などが勝てる土俵を選ぶ・探す前にはと準備工程でもあるセグメンテーションをしっかりと行う必要があります。
セグメントにおいて、属性情報が2D、案件化と強い相関関係にある状態が3D
セグメンテーションにおいて、例えば、業種、売上げ、利益、成長性、社員数、事業所数、所在地、などの属性情報は2D(2次元)情報と定義されます。これに加えて、BtoBマーケティングで案件化と強い相関関係にあるのが「状態」を3D(3次元)と定義されています。
製造業の工場に検査機器を販売するメーカーの例
例えば、工場の製造ラインの最後には必ず検査工程があります。
ここで検査をしないと不良品を出荷することとなり、それが原因で納品先のラインを止めたり、最終完成品がリコールに繋がるからです。
しかし、工場の生産性を上げるためにこの検査工程がしばしばボトルネックになります。丁寧に検査をしようと思えば時間が掛かってしまい、「検査待ち」の製品が出荷できずに山になってしまうためです。
この問題を解決するために「高度な画像解析技術を駆使して位置決めのスピードを速くした検査機器」が必要になり、以下のような「状態」が出現します。
①製造ラインを高速化したいのに検査工程がボトルネックになっている。
②検査工程のそれぞれの所要時間を計測したら、位置決めに最も時間が掛かっていることがわかった。
③不良品を出荷して後工程でリコールが起きてしまい、検査の精度を大幅に引き上げなければならない。
➃納品先からの要請で全品検査する必要に迫られ、検査工程やその手法を見直すことになった。
このような状態の企業に対して、検査機器メーカーの製品は購入ニーズが高い、すわち案件化と強い関係にあると考えることができます。これが3Dである状態です。そして、このような顧客が存在するセグメントが3D-セグメントと考えることができ、魅力的な市場といえるでしょう。
まとめ
2Dセグメントである企業や個人の属性情報に、こうした3Dセグメントの考えを加えることで、より案件化する可能性の高い魅力的な市場・顧客を発見することができます。