マスマーケティングとは対象とする顧客のセグメント(特定のグループ分け)を行わずに、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動を行うことを指します。
マスマーケティングは、不特定多数の顧客(ターゲット)に対して同じマーケティング方法を行い、その特徴は大量生産、大量販売を前提とした大量プロモーションであることが一般的です。プロモーションは、近年はインターネットの台頭で注目度は下がりつつありますが、マスコミ四媒体と呼ばれるテレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告が中心となります。
マスマーケティングのメリット
扱う製品がマスマーケティングに向いている製品であれば、大量生産によるコストダウン、流通や販売チャネルの統一による効率化などが見込めます。また、販売チャネルの統一が見込めるのであれば、広告媒体も絞り込めます。
マスマーケティングは、生産から販売まですべてのコストを押さえ込むことができ、大きな利益とシェアの確保が期待できるマーケティング方法なのです。実際には一挙に生産、販売、広告を行える、大きな予算を持つトップ企業(マーケットリーダー)が実施することの多いマーケティングともいえるため、その手法は投網による漁にも例えられます。
マスマーケティングのデメリット
近年は顧客嗜好の細分化が進み、マーケティングの主流はセグメントされた顧客を対象とする方向に移っています。マスマーケティングのデメリットは、セグメントされた顧客には有効でないこと、幅広い顧客に受け入れられる商品やサービス(食料品や日用品が多い)でないと扱えないこと、テレビを観ない、新聞を読まない世代が増えてきており、マスメディアの活用が難しくなってきていることなどが挙げられます。
まとめ
食料品や日用品、通信サービスなど、「誰もが利用しうる」ような商品・サービスにおいては、依然としてマスマーケティングの意義は大きいといえます。マーケティングを成功させるためには、業態や達成したい目標、経営課題などを見定めたうえで、自社に適した方策を選択することが大切です。