近視眼的マーケティング(マーケティングマイオピア)とは、既存製品を中心に考える製品志向に極端に傾倒してしまい、顧客志向的な視点がおろそかになってしまう状態を指します。
マイオピアとは、医学的には「近視」という意味ですが、一般的に「視野の狭さ」というという意味で使われる英単語です。つまり、マーケティングマイオピアとは、マーケティングに対する視野が狭くなっている状態を表現しています。
マーケティング担当者は自社の製品を愛するあまり、時に自社の製品を中心に考えてしまうことがあります。これがマーケティングマイオピアの危険なところです。
企業のマーケティングは、市場に製品やサービスを送り出すことばかり考えずに、顧客の購買意欲を促し、取り引きしたいと思わせる活動そのものである、と考えなければなりません。
確かに製品を開発したり事業を立ち上げたりすることはとても面白いですが、事業を立ち上げることは、お客さまを満足させるプロセスを確立して、皆さんと取引したいと思わせる活動です。
マーケティングマイオピアは、現在利益が十分に取れている有望な市場であればあるほど、注意が必要です。
会社や市場が成長しているときには、もっと利益を得るために生産性や拡張性など、製品や生産に関わる部分に目がいってしまいます。
特に、技術が先行する市場では、優れた製品であれば自然に売れるという幻想が生まれやすいので要注意です。製品中心の視点になりやすく、どうしてもマーケティングや顧客への関わりが薄くなり、マーケティングマイオピアになる危険、つまり市場が衰退する危険があります。
まとめ
成長や成功には必ず衰退の危機が伴っています。マーケティング担当者は、製品中心の視点にならないよう気をつけ、常にお客さまに目を向けてマーケティングマイオピアにならないように気をつけましょう。