イノベータ理論 Innovator Theory

正式名称:Innovator Theory

イノベーター理論は、新商品や新サービスの購入が早い順に消費者を5つのグループに分類した理論を指します。

イノベーター理論の5つのグループは、新商品、新サービスの購入が早い順に、「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティー」「レイトマジョリティー」「ラガード」これら5つのグループに分類することができます。

イノベーター理論の5分類

イノベーター

冒険心を持っていて、新しい物、革新的な物を積極的に採用する人々です。

具体的な商品名を出すと、iPhoneというこれまでの携帯電話とは全く違う新しい革新的な商品が発売された時も、いち早くiPhoneを購入、採用した人々のことです。

ただし、イノベーターが新商品、新サービスに重視するのは商品のベネフィット、つまり、商品を買うことでどんな得をするのか、ではなく、どれだけ革新的な商品かを重視しています。

そのため、イノベーターは市場全体、世間一般と価値観がずれていることが多いので、が新商品を購入、採用しても商品やサービスが市場に受け入れられたと判断することはできません。

市場全体に対する消費者ボリュームの割合は2.5%とされています。

アーリーアダプター

流行に敏感で、自ら情報収集を行い、また、判断ができるグループです。

イノベーターの次に最新の情報をチェックしていて、商品の購入や導入に対して前向きな人々のグループになります。

また、イノベーターと違い、商品が革新的というだけで購入を判断せず、商品のベネフィットについてもしっかりと理解した上で新商品の購入に至りますので、市場全体の価値観に近いグループだと言われています。

そのため、他の消費者グループへの影響力も大きいため、「オピニオンリーダー」と呼ばれることもあります。

市場全体に対する消費者ボリュームの割合は13.5%です。

アーリーマジョリティ

アーリーマジョリティーはレイトマジョリティーとともに消費者をイノベーター理論でグループに分類した場合に市場全体の大多数を占めるグループになります。

全体から見れば、平均よりも早く新商品、新サービスを購入しますが、どちらかといえば慎重派のグループなので、アーリーアダプターの様子を見て、その動向から新商品、新サービスの採用を決定する傾向があります。

市場全体に対する消費者ボリュームの割合は34.0%にのぼります。

レイトマジョリティ

アーリーマジョリティーと同様に、市場全体の大多数を占める消費者のグループになります。

新商品や新サービスの採用に控えめな傾向があり、全体の過半数が新商品、新サービスの採用を決めてから、それについていくように新商品、新サービスの購入、採用をするため「フォロワーズ」とも呼ばれるグループです。

iPhoneが普及し、スマートフォンが広まってきてもなかなか手を出さなかった人々がこのグループに分類されます。

市場全体に対する消費者ボリュームの割合は、アーリーマジョリティーと同じく、34.0%になります。

ラガード

世の中の流行や動きに関心が薄く、最も保守的なグループの人々です。

周囲がどれだけ採用、購入を決めたとしても、自分自身で必要だと判断しない限りは採用を決めないグループです。

イノベーションが伝統化されて、定番、伝統となってようやく採用に積極的になるグループです。

そのため、伝統主義者と言われることもあるグループです。

市場全体に対する消費者ボリュームの割合は16.0%です。

まとめ

イノベーター理論では、普及率16%を重視する普及率16%の理論「クリティカルマス」とアーリーアダプターからアーリーマジョリティーへの浸透を重視する「キャズム理論」が存在します。

キャズム理論では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間に深い溝があり、その溝を乗り越えるのが難しいことを指摘しています。

この溝を「キャズム」と呼ぶことから「キャズム理論」と呼ばれていて、アーリーマジョリティーに商品を浸透させない限り、新商品や新サービスの市場規模は小さいまま消えていくと言われている理論です。

新商品や新サービスを売り出す場合には、イノベーター理論の「クリティカルマス」「キャズム理論」を意識したマーケティングを仕掛けることで効果的に新商品や新サービスを市場に普及させることができると考えられています。

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