「中吊り広告」とは、電車内で天井からつるされた広告のことを指します。
定置式の紙媒体としてはもっとも更新頻度の高いもので、2~3日のスパンで次々と新しいものに差し替えられていきます。
このため、中吊り広告は雑誌やセール・フェアといったリアルタイム性の高い告知に利用されることが多く、常に最新の情報が得られるため多くの人が注目します。
中吊り広告はその位置的関係で車内広告の中で最も注目率が高く、特に「満員電車で新聞やケータイを開くこともできない、他に目のやり場のない状態でも読める」広告として、高い強制視認性を持っています。
中吊り広告は、その他の車内広告と共通する多くの特徴があり、それが最も強く働く媒体です。
多くの屋外広告は人々が移動中に目にするため、よほど一瞬で興味をひかない限り、人は通り過ぎてしまいます。
また広告と目の距離が遠いため細かな文字を読んでもらいにくく、ポスターなどでは少ないキャッチコピーで「イメージを伝える」ということに注力しなくてはなりません。
これに対し中吊り広告は静止接触時間が長く、目と広告の距離も適度なので「少々文字が多くても隅々まで読んでもらえる」という特徴があります。
雑誌や書籍の中吊り広告に多くの見出しが並んでいるのもこのためです。このように、中吊り広告には「眺める」ではなく「読ませる」力があるのです。
さらに、中吊り広告にはデザインに細かな文様を使うなど、「詳細に眺めてもらうことでその美しさが伝わる」という特徴もあります。
大きな写真を掲載して、その細部まで眺めてもらうことも可能です。
雑誌広告などではこうした手法がよく用いられますが、接触時間の短いテレビCMや屋外広告ではほとんどこうした手法は使えません。
そういう意味でも中吊り広告は稀有な存在です。
まとめ
中吊り広告は静止接触時間が長い点は非常に強力です。
消費者の多くは商品名を正確に記憶するのではなく、中吊り広告のイメージを漠然と記憶して購入に向かう事が多いです。
そのため、雑誌であれば表紙のデザインとよく似たデザインを、商品であれば商品のパッケージやビジュアルをしっかり中吊り広告に反映させておく必要があります。