トリアージとは、医療用語として使われており、医師や医療設備のキャパシティを大きく上回る多数の傷病者が出た場合に、そのケガや病気の重症度、緊急性による分類を行い、治療や処置の優先順位を決めることを言います。
マーケティングや経営、システム管理など、ビジネスの場面でもトリアージという言葉が使われることが増えてきました。
たとえば、IT業界におけるシステム管理の現場では、ウイルスの侵入やシステム障害が発生した場合にどのような手順によってシステムを復旧するのかを考えることをトリアージという言葉で表すようになってきました。
復旧までの作業の優先順位を判断することからトリアージと呼ばれるようになったんです。
このビジネスにおけるトリアージも優先順位を間違えてしまえば復旧までの時間やコストが膨大になるので、とても重要なビジネスやマーケティング、経営における要素となっています。
これらのビジネスやシステム管理におけるトリアージの事例として008年5月に発生したセブン銀行のATM一次停止があります。
これは、三菱東京UFJ銀行の新システム移行中の作業トラブルが原因で、セブン銀行とのシステム連携が原因となり発生したトラブルです。
システム連携が拡大していくに連れてこのように一社によるトラブルやシステム障害が他社のシステムに波及して影響を及ぼす危険性が非常に高くなっています。
システム連携が拡大していくと外部への影響度も大きくなるので、トリアージによって作業の優先順位を決めることが重要になるのです。
まとめ
マーケティングや経営、システム管理など、ビジネスにおける場面でもトリアージは非常に重要な要素になっています。
「優先順位を決定すること」の意味としてトリアージが幅広く使われるようになった一方で、「トリアージは本来、医療の救命活動に関わる思い判断を指している言葉なのに、ビジネスやシステム復旧の場面で使うのは不謹慎である」というトリアージという言葉の使い方に関する指摘もあります。
全体最適、という視点から優先順位を決めることには意義がありますが、そのことをトリアージという言葉で表して、むやみに「トリアージ、トリアージ」と乱用してしまうと、医療をはじめ、反感を買ってしまうことには注意しましょう。