サイバネティクス理論は、生物と機械の間に情報のやりとりやコントロールの仕組みに関する類似性があることを指します。
サイバネティクス理論の「サイバネティクス」は日本語にすると「操舵」の意味にあたるとされています。
「操舵」つまり、船を操ること、船の舵を取ることです。
あらかじめ決められた目標に直線的に、最適コースで向かうのではなく、行きすぎたり戻ったりしながらも目標に進んでいくことが「操舵」、つまり、サイバネティクスだといわれています。
たとえば、日本の久里浜から大島に向かう大島航路の船があります。
専門的な知識のない人の考え方では、港から船を出すならあらかじめ進路を計り、方向を定め、その方向に向かって船を出すと素人は考えます。
しかし、実際に船を「操舵」する船長はそうではありません。
久里浜から大島までの航路図はありますが、実際に出港した後は、大島の方向にしばらく船を走らせ、そして船の現在位置を測り、航路とのずれを修正しながらまた走らせる。この繰り返しによって、目的地の大島に時間通りに到着させます。
このような目標に向かう道筋においてずれがあれば素早くそのずれを察知、そして自動的にすぐに方向を修正して、最終的な目的に到達するという考え方、これがサイバネティクス理論とされています。
私たち人間の脳にはこのような自動制御のシステムがプログラムされていて、具体的な目標を設定すると、このプログラムが作動すると言われています。
まとめ
このように、サイバネティクス理論は、航空宇宙学やコンピュータテクノロジーから私たち人間の脳や神経の生物学的な研究まで、数多くの分野に応用されている理論です。
今後も、自然から人工的な分野まで、数多くの研究の課題解決にサイバネティクス理論が利用されるでしょう。