スイッチングコストは顧客が現在利用している商品やサービスを別会社の商品・サービスに乗り換える際に負担しなければならない経済的、心理的、手間を含めてコストを指します。
そのため、経費などの経済的なコストのことだけを指す用語ではありません。
例えば、ある顧客が現在利用しているソフトウェアを他の会社の提供しているソフトウェアに乗り換える場合のスイッチングコストは、金銭的コスト(買い換え、乗り換えにかかる費用)と時間的コスト(ソフトウェアの操作の違いになれるまでの時間と労力)、心理的コスト(新しいソフトの使い方を1から学び直すことへのストレスやプレッシャー)などのコストが発生することが考えられます。
そのため、一般的に顧客が商品やサービスを乗り換える場合には、直接的な利益やメリットだけではなく、スイッチングコストの影響を受けて、商品やサービスの購買を判断することになります。
ある商品やサービスの買い換え、乗り換えについての提案を顧客にする場合には顧客のスイッチングコストについてしっかりと理解し、スイッチングコストを低く抑えることが購買動機を高め、成約につながる有効なマーケティング施策となります。
まとめ
商品やサービスが現在の商品・サービスよりも性能が高く、価格的にも魅力的だったとしても、導入にかかる手間や時間、習熟のための労力を含めたスイッチングコストが高くなれば、顧客は簡単には乗り換えをするという判断には至りません。
現在顧客が利用している商品やサービスを提供している企業はスイッチングコストができるだけ高く設定をすること。
そして、逆に商品やサービスの乗り換えを他社の顧客に売り込む側の企業はスイッチングコストを低く設定すること。
これらのスイッチングコストに焦点を当てた戦略が、商品・サービスを顧客が現在利用している企業、売り込む企業、それぞれのマーケティング戦略で有効になると言われています。