パレートの法則は「物事の結果のうち8割は、2割の要素によってもたらされる」という法則です。
当初は所得配分に対しての言及に用いられた法則でしたが、経営や品質管理、マーケティングなどにも応用されており、ビジネス領域で広く使用されています。
また、“法則”と一般的には言われていますが方程式のようなものは存在していないため、結果に貢献する2割の要素の偏りを分かりやすく示してくれる“経験則”のようなものと捉えておくのがよいでしょう。
パレートの法則が発生する具体例
パレートの法則が発生する例は多くありますが、ここでは3つの例を挙げています。
1.組織全般
例えば、「売上の8割が、全社員のうちの2割の社員によって生み出されている」という例が考えられます。
それぞれの社員が置かれている状況(部署、経験年数、勤務形態など)によって当然、生み出せる売上額は変わってきますが、いわゆるエース社員が業績を左右する存在であることが改めて分かります。
日々の業務の中でも売上に直結する業務はそう多くなく、売上の目標を達成するためにはこれらの業務に取り組むことを優先しましょう。
2.商品開発・顧客管理
例えば、「商品の売上の8割は、全商品のうち2割の商品が生み出している」「売上の8割は、全体の2割の顧客が生み出している」という2つの例が考えられます。
様々な商品のラインナップがあったとしても、売れ筋商品はごく一部であるのはよくある話です。また、顧客ごとに単価や売上が異なるビジネスですとプロジェクトごとの売上が異なり「大口/小口」の顧客が必然的に生まれてきます。
これらの傾向を観測した際に実践できることとしては、「多くの売上を上げる2割の商品の販売に人員、時間のリソースを割く」、「売上額の多い2割の顧客に、より多くの時間を使う」などの打ち手が挙げられます。
3.インターネット広告
例えば、広告の目的がリード獲得(問い合わせ、会員登録など)の場合、「広告コンバージョンのうち、約8割が検索広告から発生している」現象が発生します。
このような場合には、下手にディスプレイ広告で獲得を伸ばそうとしても大きな成果に繋がる可能性が低いため、現状インパクトの大きい広告メニューを更に拡大させ事業の売上に貢献できるよう運用するのが良いでしょう。
まとめ
目標を達成するために注力すべき「2割の要素」を明確にしてくれるパレートの法則。
様々な場面で応用できるため、ぜひ覚えておきたいところです。