オズボーン効果とは、新製品を発表するタイミングが早すぎることによって消費者が現行製品の買い控えを起こし、
販売不振を招いてしまうことを表した用語を指します。
1983年、オズボーン・コンピュータ社のアダム・オズボーンがOsborne 1システムの後継機種として、当時未完成であった「エグゼクティブ」と「ヴィクセン」と発表しました。
そして、これらの機種が既存のコンピュータよりも性能の面で大きく上回っていることを強調しました。
その結果、消費者、顧客の間では、「エグゼクティブ」と「ヴィクセン」の発売を待つための既存製品のコンピュータの買い控えが起きて、オズボーン社の売上が急落しました。
この買い控え、売上の急落が原因となって、キャッシュフロー、収益が悪化したためにオズボーン社は数ヶ月後に倒産してしまいました。
オズボーン社のこの失敗から、早すぎる新製品の発表によって既存製品の買い控え、販売不振が起こる現象を「オズボーン効果」と呼ぶことになりました。
その一方で、アップル社はプロセッサ、CPUをIntel製プロセッサに移行する際に、全く逆の戦術と取った事例もあります。
Intelプロセッサを搭載する新製品の発表を6ヶ月早くリリースしたことです。
その結果、既存のプロセッサだったパワーPCを搭載した製品がなくなると多くの消費者が考え、商品確保へと動き出しました。
まとめ
このようなアップル社のIntelプロセッサへの移行の事例があったことからも最近のIT、コンピュータ産業ではオズボーン効果はあまり重要視されず、重大な問題としては扱われなくなってきています。
一概に新製品の発表を秘匿すればいいというのではなく、消費者、顧客の持つニーズに合わせた戦略をとることがこれからのIT、コンピュータ産業では求められていくことになりそうです。