キャズム理論は、ハイテク商品が初期市場で成功し、市場全体へと広がっていき、メインストリーム市場で成功するまでの間に深い溝(キャズム)が存在し、さまざまな制約条件に負けてそのキャズムに落ちたまま消えていくという警告、そして、そのキャズムを乗り越えるためにどのようなマーケティングのアプローチが必要なのかを指します。
従来のイノベーター理論では、キャズム理論は存在せず、「普及率16%の理論(クリティカルマス)」という理論が存在するのみでした。
普及率16%の理論(クリティカルマス)とは、イノベーターとアーリーマジョリティーを合わせた市場全体の16%に新商品や新サービスが普及するかどうかが新商品、新サービスが成功するかどうかの別れ目だという理論です。
しかし、マーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーアは特にハイテク産業においては普及率16%の理論(クリティカルマス)では商品が普及するとは限らないと主張しました。
この時の理論がキャズム理論です。
普及率16%の理論(クリティカルマス)ではイノベーターを超えてアーリーアダプターまで商品が普及すればオピニオンリーダーとも呼ばれるアーリーアダプターの影響力によって商品は市場に普及すると言われていました。
しかし、キャズム理論では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間に大きく深い溝が存在すると提唱されていて、特にハイテク産業ではそのキャズムを超えられずに、一般化することがなく消えていく商品が多いと言われています。
まとめ
スマートフォンなどのハイテク産業、他にも、インターネットを使ったSNSなど、IT産業においては、キャズム理論におけるキャズムを超えて、市場の大多数、アーリーマジョリティーまで普及してはじめて新商品が市場に普及したと言うことができると考えられます。